OECD加盟国の主要7ヶ国中、最下位という現実
これは地方だけに言えることではなく、東京でもそうなんですが、日本はIT化が本当に遅れていると感じています。日本生産性本部という公益財団法人の試算では、日本人一人辺りの労働生産性はOECD加盟国35か国中、22位となっています。これはOECD加盟国のうち、主要7カ国の中で最下位です。
これは極端にいうと、「世界全体で経済についてより良くなるように集まろうぜ!」と35ヶ国が集まって、「俺たち世界の中でもトップの金持ちの国だからメイン張らないとな!」と意気込んでるのが日本も含めた主要7ヶ国になります。
ですが、「日本てすげー働いてるように見えて、あれ?これだけしか出来てないの?やばくね?」となっているのが今の日本です。
取り分け、中小企業の労働生産性が低いということが日本経済が滞っている大きな原因の1つになっています。
日本の大企業は生産性の意味で言えば、一人あたりの生産性は高いです。しかし、日本全体の中で大企業の割合はわずか1%程度ですから、残り99%の中小企業の労働生産性を高めていくことが最優先課題だと言われる所以なのです。
これ全部ITで解決できます。しかも無料で。
ではなぜ中小企業のIT化が進まないのかというと、一番の原因は「IT化した後のメリットを体験したことがない」ことであると思っています。これは今までの私の経験からも明らかです。一度導入してしまえば仕組み化されていきますので、今後その分野に手間や問題が発生することは極端に少なくなり、もっと大事な部分に経営資源(人、モノ、金)を集中させることができるようになります。
私がざっと考えるだけで下記のようなアナログな作業が思いつきます。これらの作業はどれも営業上必要ではありますが、直接利益を生むものではないものばかりです。それであれば、これらの作業に掛かっている人件費や労働時間を、直接売上が上がる、販売やマーケティングに配分することが可能になるのです。
- 事務所の掲示板(ホワイトボード)で社員のスケジュールを管理している
- 全て電話でやり取りしている
- 集まって会議している
- ファイルキャビネットが紙でパンパン
- FAXで書類のやり取りをしている
- スタッフの勤怠管理を名簿表に手書きしている
- CD-Rやフロッピディスクでデータを渡している
- 印刷して紙を渡している
- 税理士に毎月領収書を送っている
IT化による主なメリット
下記に主なIT化によるメリットを掲載しておきます。一度これらのメリットを体験して、それが習慣になってしまうともう戻れません。まぁ戻らなくてよいのですが(笑)
- 毎回繰り返す反復作業は、ほぼ楽にできる
- 頭の中の意識を重要な事だけに集中させることができるようになる
- スタッフや社員を管理しやすくなる
- お客さんが何万人いようと情報の共有が容易になる
- スタッフや社員の”数”が問題ではなくなる、少数精鋭を実現できる
- 売上が自動であがる仕組みを作りあげることができる
IT化により雇用が削減されることでスタッフや社員から反感が出ることも良くある話ですが、その際は先程もお伝えしたように販売やマーケティングへの再配分を行えばよいのです。人への対応や、コミュニケーションが必要な分野など、人間のほうが機械より得意な分野というのもあるので、既存のスタッフさんがいらっしゃる場合は一度そのようにできないか考えてみましょう。
私自信は仕事上、身の回りのものをビジネスでもプライベートでもIT化しまくっているわけですが、本当に余計な作業をしなくなりました。昔であれば1人で会社をやっていくのも大変だったでしょう。
しかし、いまではこの「IT一年生」のように、私一人が書いた記事が、労力を追加することなく、何万人にも届けることができるようになっています。昔であればテレビや新聞、ラジオしかできないことでした。
21世紀は既に産業社会ではなく、情報社会ですから、情報の価値が最も高いのです。知っているか知らないかで大きく結果が変わってきてしまう時代であることは、もう間違いありません。
IT化の導入のポイントは、初めはスタッフや社員から反発がでたり、慣れるまでストレスがかかるということですが、一度導入してしまえば、意識せずに機能しつづける「仕組み」を作ることにあります。
蛇口をひねったら水が出てくる現代で、水を井戸まで汲みに行っている人は、ほぼいません。しかし、ITとなると今だ多くの人が井戸に水を汲みに行っているような社会なのです。
特にこれから人手不足が深刻化していく日本においては、人材獲得の競争も、より一層増していくことでしょう。しかし、そもそも人を増やさなくても業務を回し、売上を拡大していけるのであれば、人材獲得の競争にあえて参加しなくてもよいのです。
特に地方で事業を運営されている方は、人との繋がりだけでは経済を保つのが難しい時代に入っています。
地元だけで経済を回すという考え方も非常に重要ですが、各地方から情報や商品を発信すべきであると思っています。
amazon、楽天などのネット通販や、スマートフォン普及の台頭で、地元の方が地元以外にお金を使う機会が極端に多くなってしまいました。ですから、少数精鋭で運営できるように仕組み化したり、ネットショップを立ち上げて、全国や世界に向けて活動をしていかなければ生き残っていくことは非常に困難であると考えています。
今回、もしあなたが例に挙げたようなアナログな作業に多くの時間を費やしているのであれば、ITを使ってもっと楽にできないか?間違いを減らすことはできないか? そのように一度立ち止まって、よく考えてみてください。
今日はアナログ中小企業の「IT化の遅れ」についてお伝えしていきたいと思います。
今回のお話は「アナログよりもハイテクのほうが良い」という単純な話ではありません。「無駄な努力や労力はできるだけ減らしましょう」というお話です。
問題というのはまず「認識」しなければ、解決することはできませんが、あなたの会社にも「認識」できていない問題はたくさん存在すると思います。また、問題とすら思っていない場合も多々あります。
IT化が何故必要なのか?どういうメリットがあるのか?これらのことが理解できるようになりますので、数分ほどお時間をください。